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M2M/IoTの情報プラットフォーム

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既存メンテナンス事業者との共存ビジネスモデル – 前回の続き

先日ヤンマーのM2Mの取り組みを紹介しました。

ヤンマー、農機修理にビッグデータ活用 :日本経済新聞

その中で取り上げた3つのポイントのうち、3番目に「既存メンテナンス事業者との共存の可能性」について少し意見を述べました。簡単にその内容をまとめると、現在既存の町工場が受けている修理の需要を大手メーカーが獲得しにいっても大丈夫なものかのか?これだと「三方良し」では無いよね?という問題提起です。

今日はこれについて、どういう形が理想なのか少し考えてみようと思います。

理想形は、M2Mの導入によって、製造メーカー(OEM)、ユーザー、そしてそれにまつわるステークホルダー全てがハッピーになることですよね。しかし日経新聞の記事を読む限りでは、これまで修理を担ってきた町工場がハッピーになれそうにありません。「三方良し」を実現するためには一体どういう仕組があればいいのか。

提案:製品ライフサイクルプラットフォームによる統合的なエコシステムを構築する
OEM的にはMES(製造実行システム)、CRM(顧客管理システム)、さらにはERPなどとM2Mシステムを連携し、社内全体で製品の稼働データを共有し、フィードバックする仕組みをまず作ることが重要です。そうすることで、製品の機能などのフィードバックが製造プロセスの上流にも共有され、中長期的に見た製品やサービスの開発に活かすことができるようになります。

さらに製品ライフサイクルプラットフォームとしてのM2Mシステムを、エンドユーザーのみならず修理を担ってきた町工場にも開放します。これは月額いくらという世界で利用してもらい、修理工場はこのプラットフォームから顧客の稼働状況や機械の状態データを取得します。もう一歩踏み込んでみると、例えばとあるエンドユーザーの修理需要に対して、複数の工場から逆オークション的なアプローチで修理を提案するなどといった使い方もあるかもしれません。

この場合、OEMは直接修理需要を獲得するわけではありませんが、プラットフォーム利用料を取ることで、これまで町工場が担ってきた修理はそのままの形で残し、さらにOEMも収益を伸ばすことが可能です。町工場はプラットフォーム利用料を支払い、顧客の正確な稼働データや機械の状態を把握することで、効率的なメンテナンスを提供することが可能になります。エンドユーザーはもちろん、最適なメンテナンスを最適なタイミングで享受することができるようになるので、まさに三方良し。

OEMは企画、設計、製造、流通、保守と、製品のライフサイクル全体を通じて、データを透明的に取得しシームレスに活用して行く必要がありそうです。このためには組織の構造を変える必要があるケースもあるでしょう。またオペレーションの体制なども新たに整えなければいけないケースもあると思われます。その意味で実現のハードルは決して低くはないですが、日本の製造業が生き残っていくためには避けて通れない道だと思います。「モノ」だけで勝負するわけでなく、ライフサイクル全体でモノの価値+サービス全体の価値を上げていく必要があります。

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