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M2Mをおカネの流れで分類してみる

アプリケーションの違いでM2Mを分類することはよくあります。前回のエントリーの「M2M普及状況調査レポート」内には、大別すると以下の3つに集約できるとありました。

  1. フリート管理
  2. アセットトラッキング
  3. 人のモニター

言うまでもなくこの分類はかなりハイレベルからの分類で、それぞれが複数のソリューションに分類可能です。例えばフリート管理には、商用車料のルート指示であったり着店管理、燃料のモニタリングなども含まれれば、自動車向けのe-Callやインフォテインメント、UBIなどまで含まれています。そしていわゆる遠隔監視については、広義の意味で全て「アセットトラッキング」に分類可能です。物流のトラッキングなどもここに含まれます。人のモニターは、いわゆるローンワーカーの安全管理などが代表的でしょうか。

この分類はある意味技術寄りのアプローチと言えます。このアプローチは自社に合ったM2Mとはどういうものかを考える際に意味を持ちます。例えて言うと、健康のためにジョギングをしようと決めた人、あるいは既にしている人に対して、どんなシューズがいいのか、どういう走り方をすべきか?といった事を考える上でのよい指標になるものといってもいいかもしれません。

しかし多くの企業にとって、特に日本の企業にとっては、M2Mはまだまだ導入するかしないかといった初期段階にあります。言ってみればそもそもジョギングをするのかしないのかを決めかねている状況です。なぜジョギングをすべきなのかを考える際に、この分類はある意味少し上級者向け過ぎます。ジョギング未経験者に、このシューズはこんなに凄くてこんな効果があるとか、こういう風に走るべきだと言ってもピンと来ませんからね。それよりもなぜジョギングをするといいのか、どういう効果があるのかを最初に説明する必要があります。

そこで、前置きが随分長くなりましたが、M2Mをお金の流れで分類してみたらどうかと思いました。前置きが長くなったのは本文がそれほど大した内容じゃないからです。すみません。

M2Mで目指すおカネの動きは大きく分けて3つあります。

  1. 使うお金をセーブする動き
  2. より多くのお金を得ようとする動き
  3. プライスレス

あまりにも当たり前の分類で恐縮ですがそれぞれ少し掘り下げて見て行きたいと思います。

1. コストの削減は、元々M2Mが得意としてきた分野です。例えばメンテナンスを可視化することで効率化し、エンジニア派遣のコストを削減するとか、保守パーツの在庫を最適化するなど。この分野は、いわゆる機械などのメンテナンスを要する業界であるとか、商用車両向けのフリート管理ソリューションなどを提供している場合に、強く意識する分野になると思います。

2. M2Mを導入することで、これまでになかった新たなビジネスを創造しようという動きも見られます。むしろ7割強がM2Mによって新たなレベニューストリームを作り出したいと願っているという調査結果もあります。しかしこの要望に対する明確な効果は、今のところ限定的と言わざるを得ません。すぐに思いつく例は、やはりUBI (Usage Based Insurance) でしょうか。UBIはこれまでになかったビジネスであると同時に、保険会社のコスト削減にも繋がるものですから、言ってみればハイブリッドなソリューションになるでしょうか。

家電向けのM2Mなどもこちらに分類されてくるのではないかと思っています。そもそも家電向けのM2M自体まだ発展途上ですが、狙いとしては、これまでは売りっぱなしだった家電をM2Mによってトラッキングを実現し、顧客との関係をこれまで以上に深めることで、新しいビジネスの創造を目指すというのが現実的なところでしょうか。例えば家電をネットに繋いでソーシャル化し、冷蔵庫やエアコンが自ら情報を発信するようになるとか。

そうなってくるとこの流れは家電のみにとどまらず、スマートホームや、あるいはより広範なスマートコミュニティといったような、社会全体で何かプラスの流れに持っていくというような取り組みになっていくでしょう。家電、家、クルマ、街灯などなど、地域のエネルギー収支ゼロを目指した動きに最終的には繋がっていくかも知れません。

3. そしてプライスレスな動きとしては、やはり人の安全モニターなどが代表的でしょうか。認知症患者のモニタリングや、危険な場所で一人で働かなければいけないローンワーカーの遠隔監視など、人の命にかかわるようなものです。政府の規制などもここに含まれます。例えば欧州の eCall や、スマートメーターの推進など。

アプリケーション側からの分類と、オカネの流れからの分類をマトリックスに見てみると、下記の表のようになります。それぞれ考えられるアプリケーションを記載してみました。UBIのようにコスト削減にも新たなレベニューの創造にもなるソリューションも一部ありますが、基本的にはどこかに落ち着きます。

コスト削減 新たなレベニュー プライスレス
フリート管理 商用車向けフリート管理
UBI
UBI
インフォテインメント
eCall
アセットトラッキング 自販機の監視
エネマネ
BEMS・HEMS
遠隔医療
家電向けM2M
小売
スマートメーター
人のモニター ロケーション管理などによるマーケティング ローンワーカーモニタリング
セキュリティ

M2M利用者の7割強が、新しいビジネスの創造を求めています。ただ、この表を観る限り、現時点のM2Mの主流はやはりコスト削減に向いていると言わざるを得ません。新しいビジネスを創造するハードルはまだ高そうですが、この分野でのキラーアプリがなければ、M2M/IoTの本当の意味での普及はまだまだ先と言うべきかもしれません。

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