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M2Mを成功させる7つのポイント

多くの企業でM2M導入のROIが確保されているというデータが明らかになった今、議論はもはや「M2Mを導入するかしないか」から、「M2Mをどう成功させるか」に移行していると言ってもいいでしょう。そこで、M2Mから明確な成果を得るために必要なことを、以下の7つにまとめました。先日ご紹介したM2M普及状況調査レポートの内容を中心に、自分の経験も加味しています。

なお、M2M普及状況調査レポートの原文は、Vodafone社のサイトから入手可能です。

  1. ビジネス・レディネスを高めておく
  2. KPIを明確にする
  3. 変化を受け入れる
  4. 短いROI実現のために導入は一気呵成に
  5. セキュリティの確保はプロジェクト初期段階からしっかり練り込む
  6. 業界を熟知したスペシャリストの支援を得る
  7. 拡張性を考慮する


1. ビジネス・レディネスを高めておく

企業全体として共有された目標を理解し、効果的なプロセスや戦略を持つことが重要です。変化の早い世の中にあって、さらにこれまでに例を見ないほどの変化の渦中にあるM2M/IoTの世界においては、一本筋のしっかり通った戦略を共有することが重要なのは言うまでもありません。レポートにもありますが、ビジネス・レディネスの高い企業ほど、M2Mによってより大きな果実を得ています(例えばM2Mによって「競争優位性の確保」ができたと回答した企業は、ビジネス・レディネスの高い企業の方がそうでない企業よりも8%上回っている)。まさに備えあれば憂いなし。

また、企業によっては総IT予算の実に50%をM2Mプロジェクトに配分している企業があったといいます。戦略的にM2Mをビジネスの最重要事項とし、経営層レベルでコミットすることも成功の秘訣と言えそうです。

2. KPIを明確にする

M2M/IoTはもはや一時のブームでも、ニッチなソリューションでもありません。実益を生み出すメインストリームになりつつあります。とは言え、明確な目標もなくM2Mを導入しようとしても多くは失敗に終わるでしょう。それどころか、成功したか失敗したかすら分からないという結果に陥りかねません。M2Mに限ったことではありませんが、明確に成功を定義することが重要です。何をもって成功と言えるのか、裏を返せば、何を解決するためにM2Mを導入するのかを明確化するのが重要です。そうでなければ Solution without problemになってしまいますから。

3. 変化を受け入れる

M2Mは内部志向から外部志向へ向かっています。まず内部的にパイロットプロジェクトを立ち上げ、効果を見極めた上で外部へ展開していくという流れが加速しつつあります。自社のみならず社会全体を巻き込んだM2Mのうねりが起きようとしている中、多くの企業がM2Mによってビジネスプロセスやビジネスモデルの変化を経験しています。M2Mは単にメンテナンスのコストを削減したり、データを自動的に収集して在庫を最適化するだけではなく、これまでになかったビジネスを創造しています。

M2M普及状況調査レポートで分かったことは、M2Mで十分な成果を得ているのはこれまで見えなかった様々なデータを収集・利活用し、ビジネスプロセスや企業文化をに変革を起こすことを望んでいる企業であるということでした。そのためには担当者レベルのみならず、経営層、ひいては会社全体でのコミットが必要不可欠といえます。

4. 短いROI実現のために導入は一気呵成に

確実にROIを確保した企業のほとんどは、短時間でM2Mの導入を実現したと見られています。ROIの確保には様々な要因があるのは承知していますが、少なくとも先行導入による競争優位性の確保といった利点だけ見ても、素早い意思決定と導入プロセスがマイナスに作用することは考えにくいことだと思います。もちろんその背景には一貫した戦略と、全社的な価値の共有があることは言うまでもありませんが。

5. セキュリティの確保はプロジェクト初期段階からしっかり練り込む

M2Mのセキュリティは常に導入懸念事項の上位にあります。クラウドコンピューティングが普及し始めた2006年から2008年頃においても、セキュリティの懸念はありましたが、現在ではほとんどの企業が何らかの形でクラウドコンピューティングを利用していると思われます。もちろんセキュリティのリスクは常につきまといますが、そのリスクを上回る成果が得られているからこその普及といえます。M2Mにおいても同様でしょう。実に72%の企業がセキュリティリスクを重大な懸念事項であると回答している反面、それが重大な普及阻害要因であると回答しているのは12%に過ぎません。業種にもよると思いますが、ビジネスである以上、得られる成果がリスクよりも大きいと判断されれば、普及するのは自然な流れです。

とはいえ、リスクを全く無視するのは乱暴ですから、エンドツーエンドでセキュアなM2Mトランザクションを確保できるといった設計を初期段階から構築して、セキュリティリスクを最小化することは重要です。

6. 業界を熟知したスペシャリストの支援を得る

一口にM2Mと言っても、非常に多くの要素技術の組み合わせによって成り立っています。センサー技術、通信機器、無線技術、衛星、携帯回線、プラットフォーム、アプリケーションなどが組み合わさってひとつのM2Mソリューションを構成しています。この複雑さもM2Mの普及を阻害する要因の一つでした。それぞれの要素毎に異なる技術要件や、レギュレーションなどが影響する上、グローバルなM2Mを実現しようとすると国毎の法規制なども考慮する必要があります。これを自社のリソースだけで実現しようとするとかなりハードルは高くなってしまいますので、その筋の専門家を積極的に利用することも有力なオプションだと思います。

7. 拡張性を考慮する

最後に拡張性。しばらく運用を続けていくうちに、導入当初は予期していなかったデータを収集したり、技術革新によって新たな機能を実装しなければならないといった事はよくあります。またデータ収集のための通信ビット単価も年々下落する傾向にありますから、必然的により多くのデータを少ないコストで集められるようになってきます。その時に拡張性のない仕組みを使っていたのではせっかく確保した競争優位もすぐに失われてしまいます。今の時点で数年先を予測することは簡単ではありませんが、例えば極力実績のあるクラウド型の統合アプリケーションを利用するなどして、将来の変化にも柔軟に対応できる準備は必須です。スクラッチで作り込むよりも、既に定評のある水平統合アプリケーションの利用も考慮すべきです。

以上7点を、M2Mを成功させるポイントとしてみました。
技術的なハードルはかなり下がっています。最も重要な点は「変化を受け入れられるかどうか」ではないでしょうか。変化を良しとしない企業文化があると、M2Mの導入は俄然困難になると思います。変化を受け入れ、一貫した戦略を共有し、そして一気に実現することが成功の鍵になりそうです。言うは易し……かも知れませんが、やるしかない時期は既に到来しています。

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