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M2M講座 第2回 – M2Mのサプライチェーンを解説する

みなさんこんにちは。M2M_Masterです。M2M講座の第2回目を掲載いたします。

これまでの講座はこちらからご覧いただけます。

では今回は、本稿はM2Mのサプライチェーンの説明からはじめたいと思います。

携帯無線通信を使用するM2Mにおいては、そのシステムを構築するためのサプライチェーンは基本的には以下に掲載した図で書き表せられます。あーわかるわかる、という人もいらっしゃるでしょう。この図は私がまだM2Mの初心者だった時代に先輩から教わりつつ描いたのですが、その後何年もこの業界で仕事をしてきていて、いまだにこの絵はM2Mのビジネスモデルの基本中の基本であり、業界を理解するうえでは最初に見るべき絵だと思っています。

SupplyChain01
まずは、この図に出てくる各プレイヤーがどのような役割を果たしているのかという説明からはじめます。

この図の中心にいるのは、事業主体です。事業主体とは何でしょう。M2Mにおいては、企業がある事業を行なっていて、通信サービスはその事業のために使用されることになります。たとえば自動販売機にM2Mを使用する場合、M2Mは個々の自動販売機の在庫状況を通信で送って、商品の補充の効率化や売り切れによる機会損失を低減するために使われるのですが、この場合の事業主体とは、自動販売機の運営を行なっている企業ということになります。このようにある事業をおこなっていて、M2Mの通信をその事業のために使っているその企業を事業主体と定義しています。
ここで重要なのは、ここでいう事業というのが継続性を持った事業を指しているという点です。単にモノを売って終わり、というビジネスは、M2Mにはなりえないということです。仮にモノを販売するという事業形態であっても、継続してアフターサービスを提供するという場合であればM2Mは使用される場合があります。(アフターサービスからお金を取っているかどうかは問いません。無償でもアフターサービスを継続して提供するのであれば、そのためにM2Mを使用するというケースは存在します。)
すなわち、事業主体とは、継続的な事業を行なっていて、その事業にM2Mを使用している会社ということになります。

次に通信キャリアですが、これは文字通り通信サービスを提供するキャリアということになります。実際には携帯通信を使用するM2Mであっても、固定側の通信も使用する場合が多いので、この図で言う通信キャリアが提供する通信サービスというのは、携帯通信と固定通信の両方を指す場合が多いといえます。実際のビジネスにおいては、携帯通信の通信キャリアが固定通信も含めてすべてを提供するケース、固定通信のキャリアがMVNOとして携帯通信のサービスも併せて提供するケース、携帯通信と固定通信が別のキャリアから提供するケースなどのパターンがあります。
最近は、海外の通信キャリアがグローバルな通信サービスを国内の企業に提供するというビジネスを始めており、既存の勢力図に変化が起こっていると言えます。

次に通信機メーカですが、M2Mにおける通信端末は、汎用的な通信機と特定用途の通信機に分かれます。汎用的なM2M通信端末というのはたとえばEthernetのポートにて機器と接続するモバイルルータのような機器であったり、RS232などのシリアル通信で機器と接続するモデムのような機器のことを指します。特定用途用の通信端末とは、事業主体が実現したい業務のために専用の通信機が必要な場合に作られますが、事業主体の企業自身が製造したり、事業主体の企業からの依頼で通信機のメーカが製造したりします。
このような通信端末を提供するメーカがこれに該当します。

通信モジュールメーカは、通信機メーカに対して部品として通信モジュールを提供する立場のなのですが、通信に関するノウハウがここに集中しておりM2Mのビジネスモデル上でも大きな意味を持つポジションですので、サプライチェーン図にあえてひとつの枠を設けて記載しています。詳細は、別途記載することにいたします。。

あと、図の上の方に見えるアプリケーションサプライヤですが、日本には、M2M用のサーバアプリケーションを「それのみで」提供しているサプライヤは存在していないのが現状です。しかし、海外にはそのようなアップリケーションが存在していますし、その海外のサプライヤが提供するアプリケーションが日本でも多く使われ始めています。詳細は別途記載しますが、この海外製のアプリケーションの普及は日本のM2Mのビジネスモデルの変化を誘発する存在といえます。

システムインテグレータは、通信端末と通信キャリア、サーバアプリケーションを統合的に動作する状態にして事業主体に提供する存在です。以前は、事業主体が通信端末や通信キャリアを選択した上で、特定用途のサーバアプリも含めた「一品もの」のシステムを個々の事業主体向けに作り上げるというビジネス形態が主流であり、その場合はシステムインテグレータは事業主体が選んだ各ベンダーの機器やサービスをつなぐ役目だけをしていました。しかし最近は通信端末からサーバアプリケーションまでをトータルソリューションとして提案することが可能なシステムインテグレータが多く現れ、既存の資産を横展開しつつ効率よくソリューションを構築することが可能になってきています。

図の右端には「エンドユーザ」が置かれています。この図においてはエンドユーザとは、事業主体が行なっている事業において、その事業のユーザとなっている人もしくは企業ということになります。ただし、明確にエンドユーザが存在しないというケースもありますので、枠を点線で書いています。

これが、M2Mの最も典型的なサプライチェーンを表す図ということになります。

この図でもっとも重要な点は何かと言いますと、このサプライチェーンにおいて事業主体より上流にいる企業に流れるお金のすべては事業主体からもたらされる、ということです。事業主体が、自ら行なっている事業にて利益を上げ、そのなかの一部分がM2Mのためのシステムを構築・維持するために使われるのですが、このサプライチェーンの上流に現れる各企業は、この事業主体から支払われる費用を収入として事業を行なっているということになります。すなわち、M2Mを導入することにより、事業主体はM2Mを使わない場合よりも大きな収入が得られたり、あるいはM2Mによって事業を行なうコストが削減されるという効果が必要になり、そうして得られた事業主体にとっての収益上の増加分が、M2Mのサプライチェーン上の各企業に回っていくという図式です。

次回は、このビジネスモデルが確立するにいたる歴史を見ていきたいと思います。

次回の講座はこちらに掲載されています。

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