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M2M講座 第6回 – 日本のM2M業界の歴史を考察する(3)

みなさん、こんにちは。M2M Masterです。
前回から少し時間が空いてしまいました。前回はコラムということでちょっと本筋から外れた文章を書きましたが、今回は元に戻ってM2M業界の発展の歴史の解説を行ないたいと思います。

前回の講座はこちらになります。
また、M2M講座の目次はこちらになります。


5. 大手ITベンダーがM2Mのシステムインテグレーションに参入

私が国内キャリアのM2Mサービス企画部門にて働きだして、だいたいM2Mのサプライチェーンの構造がわかってきた2007~2008年においては、まだM2Mのシステムインテグレーションを手がける企業の姿が明確化されてはいませんでした。

そのころの状況は、以下のような状況でした。

安川情報システムやサンデン、村田機械などという会社はM2M業界ではよく知られた会社であり、またそれらは会社そのものの業態としてはシステムインテグレータと言える企業でした。しかしそれらの会社は、どちらかというと端末装置のメーカとして知られていて、サーバ側のアプリケーションから通信サービス、通信端末をトータルソリューションとして提供するというアピールはその時点ではあまりなかったと記憶しています。

またユーピーアールは、サーバアプリと通信端末で構成されるソリューションがソフトバンクモバイルのホームページで紹介されるという状況になっていて、これはこの組み合わせでトータルソリューションとして機能するという意味で先駆的な取り組みだったといえるでしょう。

 また、2008~2009年くらいから、NTTコミュニケーションやIIJというモバイル通信についてはMVNOの立場でサービスを提供している企業が、固定通信とモバイルのMVNOサービス、そしてパートナー企業の端末装置などを組み合わせたソリューションを展示会等で多く紹介することをはじめていました。これも、その時点ではトータルソリューションとまでは言えていないレベルだったかもしれませんが、それを志向した試みであったと考えられます。

つまりその時期は、いくつかの業態の企業がM2Mにおけるトータルソリューションの提供(=システムインテグレータとしての事業の展開)を志向しながらも、まだそこに明確な業態のあり方は確立していなかったという状況でした。

そのような状況が続く中、ついに大手ITベンダーのなかで、M2M用のサービスを提供すると宣言するところが現れます。2010年4月に富士通はFenics IIサービスを基盤としたM2M通信による遠隔監視サービスを立ち上げるとの発表を行ないました。この富士通の発表は、国内最大手のなかの1社である富士通がM2Mシステムの提供を本格的に行なうことを宣言したということで、非常に大きな一歩となりました。(関連記事 http://robonable.typepad.jp/news/2010/04/28fujitsu.html
その後NECが、2011年8月に「Connecive」という名称でM2Mぷラットフォームの提供の開始を発表し、2012年3月にはNTTデータが「Xrosscloud」という名称のM2Mのトータルソリューション体系を発表しました。(関連記事 http://news.livedoor.com/article/detail/5818981/)(プレスリリース http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2012/031401.html

さらに、日立製作所は2012年7月に「Global E-Service on TWX-21」というM2Mサービスの提供開始を発表しました。これは、日立建機が自社で開発したM2M用のサーバアプリケーションをベースに、日立製作所の企業用クラウド基盤であるTWX-21上で動作するように移植したものです。(プレスリリース http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/07/0713a.html

これにより、日本の国内資本のシステムインテグレータの最大手4社が、すべてM2Mに関連するソリューションの提供を開始したという状況になりました。

また、このころまでには、これまで挙げたNTTコミュニケーションやIIJ、安川情報システム、サンデン、村田機械などの各社もトータルソリューションを提案可能なところまでビジネスモデルを進化させていきました。

システムインテグレータがトータルソリューションを提案できるようにになったことにより、「事業主体」にとっては、M2Mのシステム導入の難易度がかなり下がったといえるでしょう。これにより、多くの事業主体がM2Mシステムの導入を検討するようになり、その結果システムインテグレータの提案内容も多様化していくという好循環により、日本のM2M業界の拡大につながっていっています。

ここで触れたいシステムインテグレータの提案内容の向上のもう一つの背景として、通信機器やアプリケーションなどのサプライサイド側の変化も大きく関与していますので、次回はその点に関連した、海外サプライヤの参入の状況を説明したいと思います。

次回の講座はこちらに掲載されています。

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