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M2M講座 第7回 – 日本のM2M業界の歴史を考察する(4)

M2M講座 第7回 – 日本のM2M業界の歴史を考察する(4)
みなさん、こんにちは。M2M Masterです。
年明け一回目の連載をアップいたします。今年もよろしくお願いします。

前回の講座はこちらになります。
また、M2M講座の目次はこちらになります。

 

6. 海外プライヤの参入

M2Mにおいて、ビジネスをドライブする存在が、通信キャリアからシステムインテグレータに移行していっていることは、前回の講座で解説しました。その変化が起こった要因として、M2Mを構成する各要素において、選択肢が増えたことがあります。そして選択肢が増えたのは海外のサプライヤが日本に上陸したことが大きなきっかけとなりました。今回は、M2Mを構成する各要素に関して、どのような海外ベンダーがどのような時期に日本に参入してきたかを記載したいと考えます。

6.1. 海外通信キャリアのM2M部門の参入
海外キャリアのなかで最初に日本企業にM2M通信サービスを提供し始めたのは、おそらくTelenorだと思われます。Telenorとは、ノルウェーやスウェーデン等の北欧地域を本拠地とするモバイル通信キャリアですが、早くからM2Mに注力し、M2M専用のプラットフォームを開発してそれを用いたサービスをグローバル市場にいち早く提供し始めたことから、多くのユーザ企業を先行して獲得しています。通信キャリアが提供するグローバルM2Mサービスのビジネスモデルを考案して確立させたという意味で、パイオニアと言ってよい存在だと思います。2010年には日産や日立建機に対してM2Mサービスを提供するという記事が公表されているので、それらの会社に選定されたのは2008年だったと想定されます。(そのとき、私が所属していた日本の通信キャリアはTelenorと競合して負けた側にいました。ということなので、想定というよりは私の記憶でその辺りの時期でした。)日本の企業に対して営業活動を開始したのは2008年ごろと考えてよいでしょう。

参考の記事 http://articles.sae.org/8267/
Telenorが日本法人を立ち上げたのは2010年のようですが、それ以前にも日本に常駐者がいたように記憶しています。

Vodafoneの日本に参入は、2011年にM2M担当者が常駐する日本オフィスを開設して営業活動を開始してからといってよいでしょう。(日本法人自体の設立は2010年らしいですが。)

この2社のあと、SingTelも一時期は積極的に日本国内のユーザに向けて営業を行なっていたようですが、現在は、M2Mを主要な用途とした通信サービスの新規営業は行なっていないように思われます。現在にまでつながる流れとしては、上記2社の動向のみで十分でしょう。
6.2. 海外サーバアプリケーションベンダーの参入
海外のサーバアプリケーションの提供企業として知られている会社としては、AxedaやThingWorks、ILSなどが挙げられますが、今回は主に前の2社にフォーカスを当てて、国内への参入の時期などを解説いたします。
AxedaのM2M用のアプリケーションを日本の企業が使い始めた時期を特定するのは難しいのですが、あるユーザ企業からは自分たちが採用したQuestraという会社がAxedaに買収されてしまったため、いまはAxedaとして使用しているというお話を聞いたことがあります。AxedaがQuestraを買収したのは2008年とのことなので、その時期から日本にユーザがいたということになります。現在Axedaは日立ハイテクを代理店として日本でのビジネスを行なっているのですが、この提携が締結されたのは、2013年12月ですので、つい最近です。
たぶん、この日立ハイテクとの提携の前から、それなりの数のユーザが日本に存在していたと推測されます。
一方、ThingWorksは2013年5月に、日本システムウェアとの提供を発表しています。日本での商品名は「Toami」と名付けられています。こちらはNTTドコモやNTTコミュニケーション、IIJなどが二次代理店としてToamiを販売していることから、国内での存在感が急速に高まっています。

ちなみにILSは2013年4月に伊藤忠テクノソリューションとの提携を発表しています。

6.3. 海外通信端末メーカの参入
Digi Internationalの日本支社の開設は、なんと2001年です。ただし、Digi社はボードコンピュータを提供していたり、組込み開発を請け負うなどのビジネスも行っており、当初はそれらのビジネスが主力だったと思われます。M2M用の通信端末を国内のユーザ企業に販売することに注力しだしたのは、2008~2010年以降と思われます。
Option Wirelessの日本支社の開設は2006年5月とのことです。しかし当時はPC組込み用のminiPCIexpressモジュールや、USBドングルの形態の通信端末を提供していた会社であり、M2Mとはあまり縁のない業態の会社でした。その後Option社は業態も人員の規模も変えながら、だんだんとM2M向けの製品も手がけるようになったのですが、その間の日本支社の苦難の歴史は涙なしには語れないくらい大変なものでした。そんな中、M2M用の通信端末であるCloudGateを2013年4月に発売開始し、現在はこれが主力のビジネスになっています。
Netcomm社は、VodafoneがVodafoneブランドで販売している通信端末の製造メーカであることから、2012年頃から国内に製品が紹介されてはいましたが、兼松コミュニケーションとの提携により自社の商流を確立したのは2014年です。しかし、その2014年の段階で業界の人たちが口をそろえてNetcommの端末をよく見かけると言い出すほど、急速に日本での存在感を高めています。これは前述のToamiなどとともに、特筆すべき成功例として歴史に残る快挙と言ってよいでしょう。

このように各レイヤでの海外企業の日本ヘの進出の時時期を見てみると、2013年に多くの製品が一斉に登場したことがわかります。システムを構成する各要素についての選択肢が増え、システムインテグレータが、最適な組み合わせを構成して提案するという図式が出来上がりつつあり、それがシステムインテグレータの隆盛にもつながっています。

次回は、M2M業界の歴史を語る章としては最終回の、「そして現在のM2M業界の姿」をお送りします。次回をお楽しみに。

次回の講座はこちらになります。

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