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M2M講座 第13回 – M2Mシステムが生み出す価値を考察する (5)

みなさん、こんにちは。M2M Masterです。
M2Mのシステムが生み出す「情報の価値」や、その「情報の価値」が企業の活動における活用方法などを記載していくシリーズの第5回目をお送りいたします。

前回の講座はこちらになります。
また、M2M講座の目次はこちらになります。
前回はコマツのKOMTRAXにおいて、M2Mで得られた情報からどのように価値を取り出しているかを考察した。今回はより一般化した視点にて、企業がM2Mで得られる情報から価値を取り出す方法を考察する。
3.4 M2Mによって得られるリアルタイム情報から価値を取り出す方法について
3.4.1 リアルタイム情報の利用によって実現する人員配置の効率化
リアルタイム情報から価値を取り出す手法として、すぐに思いつくのは「無人化」による人件費のコストダウンであろう。つまりいままで有人で監視を行なっていた装置を遠隔から監視を行なうことにして、現地を無人化するというやり方である。これは、「監視要員がゼロになった」ということではなくて、センターに集中的に監視要員を配置することにより、少人数で多くの装置を監視することができるようになったということで、人員を削減しつつ配置を転換することにより効率化を図るということが本質である。
しかし最近は、単純な無人化にてコスト削減できるケースは既にM2Mの導入が進んでしまっていて、もう少し複雑なケースが増えてきている。最近増えている類似の事例としては、スキルを持った人間の集中配置という例である。日本企業による装置や設備の保守において、国内では地域ごとの保守拠点も多いし、それぞれの拠点における保守人員も終身雇用にて長期に勤務するスキルの高い人間であることが期待できた。しかし、その企業が海外に進出した場合、海外では拠点の密度も低いし、各拠点の人員も勤続年数の短さから高いスキルが望めないし、教育を行なってもすぐに辞めてしまう。したがって、遠隔での装置からの情報収集を可能にして日本におかれたセンターの高スキルな人員が問題の解析を行ない、現地の作業員に指示を出して対応するという保守体制が必要になってきている。このために海外でのM2Mシステムの導入を検討する企業が増えているのである。

これは、熟練技術者の集中配置というべきもので、前述した無人化と合わせて「人員配置の適正化・効率化」と分類することができる。これがM2Mにて得られるリアルタイム情報から価値を取り出す方法の一つ目である。

3.4.2 リアルタイム情報の利用によって実現するプロセス改善
M2Mによって得ることができるリアルタイム情報から価値を取り出す方法の2つ目は、プロセス改善によるものである。M2Mを利用して企業における各種プロセスを改善する方法はさまざまなものがあるとは思われるが、以下の2つの状況を無くすことを考えることが実際に効果を得げるための近道である。

①情報を取りに行くために人が動く
②作業の直前に作業の内容を決めるための情報を取得するため、作業の準備をしている間にモノが待ち状態になる

実際にM2Mによるプロセス改善の事例を見て、上記の①や②がどのように発生していて、それをどのように改善することができるのかを考えてみよう。

日本コカコーラ社では、自動販売機への飲料の補充について、「1往復オペレーション」と呼ばれるプロセス改善を行なった。従来はまず作業員が自動販売機のところまで行って、その自動販売機の在庫情報を取得して車両まで戻り、車両にて補充のために必要な分の飲料をピックアップしてパッキングして自動販売機まで運び、自動販売機への補充を行なうという、作業者が2往復する工程での補充作業を行なっていた。これは、例えばビルの上の階にある自動販売機であったり、企業内に設置されて入退出に手続きが必要なケースなどでは非常に時間の無駄が発生していたことは言うまでもない。これを、M2Mにより事前に自動販売機の在庫情報を把握することによって、1往復で補充作業を完了できるようにしたというのが「1往復オペレーション」の中身である。自動販売機の在庫情報を取得するために人が移動していた時間を短縮することは一つの効果であるが、もうひとつ、各自動販売機ごとの補充する飲料の量を事前に把握して、車両が出発する前にパッケージ化することができるようなったという点も、時間の削減効果としては大きいだろう。これにより、1台の車両と一人の作業員で1日に補充できる自動販売機の数が増大し、車両と作業員を有効に活用することができるようになったのである。

もう一つの例は、航空機のエンジンや機体の診断情報を着陸した直後に送信するシステムの事例である。M2Mの利用により、飛行中の航空機のエンジンや機体の稼働状態を着陸直後でまだ滑走路を走行している段階でセンターに送ることを可能にしたのである。この情報を分析することにより、保守作業者は修理や部品の交換を事前に準備しておくことが可能になり、地上に止まっていることが必要な時間を短縮することが可能になった。
従来は、機体が止まって保守者が機体に乗り込んだ後、情報端末を直接機体につないで情報を取得する必要があった。このため「機体の停止」→「情報の取得」→「情報の分析」→「修理作業の内容の確定」→「作業の準備」というプロセスを行なっている間、機体は修理作業が始まらず「遊んで」いた(「待ち」の状態になっていた)ということである。これを機体が着陸すると同時にM2Mで情報を送ることにより、「作業の準備」までのプロセスを航空機が滑走路を走行する間に実施することを可能として、結果として航空機の機体が修理作業が始まらずに遊んでいた時間を短縮することに成功したという事例である。
これにより、1つの機体で1日に実施できるフライトの数を増やすことが可能になり、これは航空会社の収益の改善に多大な効果が得られるはずである。

以上のようにM2Mによるプロセス改善とは、人やモノに発生していた時間的な無駄をなくすことによって、人とモノの有効活用を図るものである。このプロセス改善によって得られる効果が、M2Mにて得られるリアルタイム情報から価値を取り出す方法の2つ目ということになる。

以上が、企業がM2Mによって得られるリアルタイム情報から価値を取り出す方法の解説でした。
次回は、企業がM2Mによって得られる蓄積情報を利用する方法論を記載したいと考えています。次回をお楽しみに。

次回の講座は、こちらに掲載されました。

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