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第14回 – M2Mシステムが生み出す価値を考察する (6)

みなさん、こんにちは。M2M Masterです。
M2Mのシステムが生み出す「情報の価値」や、その「情報の価値」が企業の活動における活用方法などを記載していくシリーズの第6回目をお送りいたします。

前回の講座はこちらになります。
また、M2M講座の目次はこちらになります。

前回はM2Mにて得られるリアルタイム情報から価値を取り出す方法について記載した。今回は、M2Mシステムによって作り出される蓄積情報から価値を取り出す方法について考察したい。

3.5 M2Mによって作り出される蓄積情報から価値を取り出す方法について
3.5.1 蓄積情報から価値を取り出す手法の基本的な考え方
蓄積情報から価値を取り出す方法の基本は、蓄積情報の中に含まれる何らかの「パターン」を見つけ出し、その「パターン」が発生した後に起こる「次の事象」を予測するという手法にある。すなわち、蓄積情報から取り出される価値というのは、データの中にあらわれる「パターン」と「次の事象」の「法則性」ということになる。価値そのものというよりは、価値を生み出すための方法であり、その方法が価値を持っているということで、ようするに「価値を取り出す方法としての価値」であるわけだ。
(数学などの学問の世界で「超××」とか「メタ××」などと呼ばれる概念を想起させる。たとえば超数学といえば、数学という学問自体を研究対象とする数学のことである。)

実際にこの「法則性の価値」を有効に活用するためには、多くの場合、リアルタイムで得られた情報に対してこの法則を適用し、近未来に起こることを予測するという形となる。したがって、蓄積情報から得られた「法則性」としての情報の価値は、前回解説したリアルタイム情報から取り出される価値とは、この意味において質が違うものであること理解いただきたい。

3.5.2 「法則性」を発見するための手法と利用するデータについて
蓄積された情報から、データが示すパターンと未来に起こる事象との因果関係の法則性を導き出す手法については、ビッグデータに関する書籍などで多く記載されており、また私自身はここに専門的な知識を持っているわけではないので、詳細な解説は省かせていただきたい。(というか。私の知識では手法そのものの解説はできません。別途コラムのような形で書籍に書かれている手法への私の意見を書かせていただきたいと思っています。)

この章で一点だけ記載したいのは、法則性を導き出すためのデータとして、M2Mシステムから得られるデータだけではなく、システムの外部から得られるデータが必要になることが多いということである。
たとえば自動販売機による飲料の売り上げを気温との関係の法則性を見つけたい場合、気温のデータは一般の気象情報として得られる情報のほうが有効な場合が多い。(自動販売機が設置されている場所の気温を取得することは技術的には容易であるが、自動販売機が設置された場所の気温はその場所での空調の状況などに強く依存し、自動販売機で飲料を買う人が実感している気温を示すわけではない。)
また産業用機器の事例において、装置の稼働が増えてくることが新しい装置の販売の増加につながるという法則性の場合、新しい装置が売れたという情報はM2Mシステムからは得られない。M2Mシステムから見ると外部のシステムに当たる販売管理システムなどから提供されるデータと突き合わせて法則性を作り上げていくことが必要になる。
したがって、M2Mで得られる蓄積情報から価値を取り出す場合には、システムの外部からのデータの提供が必要になる場合が多く、社内の各業務がデジタル化されていることが必要になる場合が多いということが言えるだろう。

3.5.3 事例から見る蓄積情報の利用方法
実際のビジネスにおいて、M2Mで得られる蓄積情報はどのように利用されているのであろうか。実際の事例をいくつか挙げてみよう。

まず一つ目は、コマツのKOMTRAXの解説において記載した、装置の稼働情報から今後の販売量を推定するという利用方法である。これは、個別顧客において、次の機種の購入の時期を予想するという「営業ツール」的な利用方法も含まれるし、より広い範囲での稼働情報の集計によりその地域全体での需要の動向を把握し生産量や社内リソースの配分を調整するというような「経営支援ツール」的な用法も含まれる。

また、最近流行しているのは「予兆診断」というコンセプトである。これは、装置に取り付けた各種センサーで生成されたデータを分析し、故障の前に現れる兆候を読み取って、装置が故障する前に修理や交換を行なってしまうという手法のことである。

最後に挙げたいのは、蓄積データから多くのユーザによる自社製品の利用状態を分析して、たとえばエネルギーや消耗品の消費を最小化するとか故障を最小化するというような「装置を最適に使用する方法」を、コンサルティングとして有償で提供する、というビジネスが始まりつつあるということである。もともとコンサルティングという業態は、企業が利益を増大化する方法を伝授することにより対価を得るという、ビッグデータと親和性の高いビジネスであるが、これはまさに「価値を生み出す方法」を価値としてマネタイズするというビジネスの例となるだろう。

以上が、企業がM2Mによって得られる蓄積情報から価値を取り出す方法の解説でした。
次回は、企業がM2Mにおいて、リアルタイム情報と蓄積情報の両方で価値を取り出すことができるという「データ二毛作」の考え方を解説したいと考えています。次回をお楽しみに。

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