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エリクソンが衝撃予測 – 200億回線から13億回線へ下方修正

更新頻度を上げる予定が…

少し前に行われたスペインのMobile World Congressでエリクソンがなかなか思い切った発表をしましたよ。

ソース: Ericsson slashes cellular IoT device forecast by 20 billion

2020年にはインターネットに繋がるデバイスが500億とも言われています。言うまでもなくIoTで重要でかつ今のところネックになっている一つの要素はコネクティビティです。

これまで、2020年時点でIoTに利用されるモバイル回線数は200億回線とも言われていました。スマホやガラケーなどで利用されているモバイル回線数は、2015年時点で世界の人口をやや上回ると言われているので、70億程度でしょうか。ケータイが世に出始めたのが1980年頃と言われていますから、実に35年の歳月をかけてここまで成長してきたわけですね。

IoTではその成長スピードを遥かに凌駕する勢いで、回線数が伸びると予測されていたわけです。あと5年ほどで200億に達するというんですからね。

しかしエリクソンがその数字に真っ向から異を唱えましたよ。

その数なんと、13億

200億から13億へ一気に下方修正です。モバイル事業者はたまったもんじゃありませんね、これ。

その理由は大きく分けて二つあります。
一つはインテリジェンスが分散化する傾向にあること。
もう一つはSigFoxやLoRaのようなLPWAN技術が台頭しつつあること。

まずインテリジェンスの分散化についてですが、いわゆるスマートデバイスとかコネクテッドデバイスが「直接」インターネットに繋がるという世界よりも、ローカルで一旦ゲートウェイのようなネットワーク機器にデータが集約されてそこからインターネット→クラウドに上がっていくというアーキテクチャが大勢を占めると見られています。

平均すると30〜50程度のセンサーやデバイスがゲートウェイにぶら下がると予測されていますね。そしてゲートウェイ配下の「毛細ネットワーク」でもってプライベートクラウド的なアーキテクチャを構成し、そこでアナリティクスやBI的な処理を完結させるというトレンドが近年増加していると。

これには僕も同意です。そもそも何でもかんでもクラウドに上げるというモデルは、ネットワーク事業者にとっては面白いかもしれませんが、ユーザー目線で見たらコストが嵩んでしょうがないです。しかもゲートウェイの処理速度や能力も年々上がってますから、ローカルでできることはローカルでやってしまうというのは、至極最もなことです。

もう一つはやはり、LPWANが台頭しつつあることです。この場合、キャリアはバックボーンの提供が主になるでしょうから、土管化がますます進むと言えそうですね。ただ、SigFox、RoLaなど、多くの規格があるため、その辺りの再編に伴う混乱も予想されているのも事実。その辺りはきちっとスタンダードが定まれば一気に解決することですけどね。

こういった背景があって、細かい数字のロジックはここでは割愛しますが、全体として13億程度のモバイル回線数に落ち着くだろうという予測になっています。

モバイルキャリアにとってこのとんでもない下方修正はどれほどのインパクトがあるでしょう。IoTのARPUなんて安いもんですが、さすがにこれくらいの数になると、年間2500億ドルくらいのインパクトがあると言われています。30兆円くらいでしょうか。これはグローバルキャリアと呼ばれる大手キャリア全体の数字ですが、いやいや、とんでもない数字になりますね。

数字ももちろんなんですが、IoTを誰が支配するのかという点でも、キャリアにとっては大きな爪痕を残しそうです。つまり、IoTでは通信経路を抑えているキャリアこそがIoTを支配するという主張がこれまではまかり通っていました。デバイスはもちろん、クラウドだって通信あってのものですから、それはそれで当然だと思います。しかしこれはあまりにもコネクティビティにフォーカスした見方です。IoTで重要なのはコネクティビティだけじゃありません。見過ごされがちですが、デバイス管理やプロビジョニングといった、いわゆるオペレーションテクノロジ側も極めて重要です。だって今後何百億ものデバイスが繋がる世界になるとしたら、デバイス管理ができないことには話になりませんよ。デバイス管理無しにIoTの実現はあり得ません。

キャリアがそこを担えるか?できませんよね。つまりエリクソンが予測するようなIoTの世の中になれば、キャリアの土管化は避けられなくなるでしょう。

IoTを誰が支配するのか?という問いに戻ると、そのデバイス管理のネットワークを支配しマネタイズするものが、IoTを牛耳るだろうと予測されています。

非常に興味深い考察です。
僕自身キャリアに身をおいてIoTを進めてきましたが、正直キャリアがIoTだイノベーションだということに違和感を感じていました。だって殆どの場合突き詰めれば土管の提供ですから。通信自体のイノベーションはすごいと思いますがね。

キャリアは元気に土管を決めたら洋ラン背負ってリーゼントって感じでいいんじゃないでしょうかね。バリューチェーンを広げるなら、キャリアの見えない化を進めるべきだと思います。

いずれにしても、これだけ思い切った予測を発表したエリクソンには拍手を送りたいと思います。

ではまた。

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